マガジン
02.18.19

ジャン・ルソーのアトリエ、工具:コレクションの裏世界(バックステージ)

by Anaïs Bordier

コレクションの創作は、非常に面白い冒険で、しばしばある討論から始まり、数ヶ月後に一連の試作品が完成します。その期間は、アトリエでプロダクトを製作するために何時間も費やします。

今月は例えば、「ラスベガス」という新コレクションが誕生しました。トランプゲームをヒントに制作された「ラスベガス」コレクションは、日本のクライアントとの交流から生まれました。私たちはオリジナルのトランプマークを提案し、もう一方でミックスされたレザーを融合するというデザインを提案しました。いくつかの素材をミックスさせることは実際、私たちにとっても特別な技術を必要とするチャレンジでした。

まず、トランプの箱をベースに考え、次にカードのシンボルともいえるハート、スペード、ダイヤド、クローバーをモチーフにするのは面白いと思いつきました。こうして、「ラスベガス」コレクションが誕生したのです!

「ラスベガス」コレクションには、財布、カードホルダー、iPhoneケースなど、人気の高いアイテムで展開しています。製作段階に入った時、私たちはいくつかの問題をクリアする必要がありました。製品のどこにマークを入れるのか?どのくらいの大きさにするのか?どの革を合わせるべきか? ステッチの色は?用いる技術は?こうして、私たちは時間の経過とともに優れた耐性を持ち、革の質感が柔らかくなる「グレインカーフ」を選びました。

同様にモチーフには、丸符模様のアリゲーターを使用し、全てのライニングは美しいグレイン模様の山羊革を使用しております。

ジャン・ルソーのアトリエは、製造全般が行われる重要な場所です。私たちは自分たちの道具に適応するのではなく、イメージした製品を実現できるように自分たちで道具を製作します。実例としては、必要な革を正確に裁断するのに打ち抜き器を作ります。また伝統的なスタイルからモダンなものまで、非常に特殊な器具を使用しています。これにより私たちは独自の素材を使って革新的な革製品をお客様に提案することができます。

私は、豊富な道具の中でも気に入っている道具が2つあります。一つは伝統的なもので、それは私たちの製品に使われる電熱器の刻印です。メゾン ジャン・ルソーの刻印の書体は、真鍮の一片に刻まれており、一度真鍮を加熱してから革に貼り付けると、刻印が印刷されます。

私はこの器具で打たれた刻印、美しく、感動的で心を捉えられました。2つ目はモダンな、電気カッターと呼ばれるものです。その技術のおかげで、私たちが制作を手がける革小物に使う貴重な革を正確に裁断することが可能です。

そしてちょうど「ラスベガス」コレクションに必要なモチーフにも使用しました。製造部門では、Raphaëlle(ラファエル)さんが様々なパーツの準備を担当し、その後、制作アトリエに送られ、Mélanie(メラニー)とMélanie、Julie(ジュリー)、Séphora(セフォラ)、Marie(マリー)とElodie(エロディ)さんが「ラスベガス」コレクションの製品を組立てて製作していきます。

縫製、組み立て、パーツの色塗り(タンチュール)など、各製品の製作工程は1から10まで、ひとりの職人によってすすめられます。ジャン・ルソーには流れ作業がありません。それは私たちの独自性を表すものでもあります。 そして、私たちは伝統的な職人技と非常に近代的なものを組み合わせることを誇りに思っています。 しかし、テクノロジーが人間に取って代わることは決してありません。 テクノロジーとは私たちの希望を叶えるものであり、人間の限界を押し広げることを勇気づけるものだと私は思っています。